ゾーンの境地

 
読んでみました。

前からずーーっと気になっていた本で、ゾーンってなんだ?と思ってた。
トレード経験も早くも3カ月を超えたので、そろそろ、結果も出さなくちゃと思っていたし、
心の中のもやもやーっとした不確実な部分を解消してくれるかもしれないという期待を込めて。

分厚い本で、中のフォントなどは読みやすそうとはいえ、
なかなかその価格に手が出せず、ちらちらと本屋で何度も手にとっては戻し。
ただ、マーケットプレイスでも投資関係の分厚い本は常に安くならない状態だったし、いずれ読むことになるだろうとは思っていたので、ちょうど週末だしということで。
週末は相場がお休みだからね♪

ほぼ1日かけて、すべて読みましたが、
なんか・・・帯に書かれていた一言が、この本のすべてを物語っていた・・・。
基本、心理学の本なので、それらしき言い回しが多かったですが。

ゾーンってスポーツのプロが達した心理的な境地なんだねぇ。それを相場にも当てはめることができるんだと。
ゾーンに達したプロスポーツ選手はミスを恐れないし、犯したミスによってその後の結果が左右されないと。
相場も、相場自体は中立であって、
人間がそれに勝手に自分の心境をくっつけて、やりにくくさせていたりする。
そして、リスクをちゃんと、本当に受け入れたうえでのぞまないと、ゾーンの境地には達しない。

確かにそうだなーと思ったし、書いてあることは自分に当てはまることも多く、
私自身トレードしながら、結果がかなり(ほとんど)感情に左右されてるのは否めない。

ただ・・・この本自体、読み終わって「確かに投資心理学入門、の入門だわ」と思ったし、
同じ内容が言葉や文章を変えて何度も何度も繰り返されるので、
ちょっとくどいなーっつうか、でもそれにも意味はあるのだろうけれど、
こんなに分厚くする必要もなかったんじゃないかなーと思いましたです。
もうちょっと端的にまとめたら読みやすいのになぁ。
あと、海外の文献の訳本であるだけに、訳し方でいまいち心にすんなり入ってこない個所も。
まぁそれはしょうがないよね。なんか、教科書みたいな感じで。
頭で自分の分かりやすい言葉に切り替えながら読み進めていくといった感じ。

ゾーンになればいいんだね~。でも、これってなろうと思ってなれるものではないし、
きっとゾーンの境地には、気づいたらなってたっていうほうが正しいんだと思う。
いろいろと考えるなと。
今と言う瞬間は、以前の経験が作用しないもので、今生まれた新しいものなのだから、
過去のことにはとらわれず、今、無心に淡々とトレードすればいいのだなぁと。
そもそも人間って過去の経験によって今を構築しているし、
日常生活はたいていのことは「努力や頑張りが成果をうむ」構造が常。ていうか、そうありたいと思う社会。

でも、相場の世界は努力したから勝てるってわけじゃない(これはやってて痛感した)。
そのへんのところで、普段の生活と精神状態を切り替えて相場に臨まなくちゃいけないんだけど、
それがなかなか難しく、そっちに努力を使うのですが、
できるようになったら「なんでこんな簡単なことができなかったのだろう?」って思うんだ。
それも、わかるんだ。
まだそこまでいってないけど(笑

無心に淡々と取り組む、感情を取りこまないことにまずは努力してゆかねばね。
そういう意味でも、投資の世界って日常生活とは違う価値観が存在するんだねぇ~。
これは、やってみないとわかんないことですねー。
と同時に、これができるようになったら、大人っていうことだな、とも感じる。

で、
このゾーンって境地に関しては、普通の日常生活でもかなりあてはまって、
すでに実行しているなと思う場面がいくつかあるのに気付いた。
それは仕事。

私の場合は10年以上同じ仕事をしていて、ものづくりの仕事でもあり、直接お客さんの前で1から商品を作り、できあがりを提示し、納得してもらってお会計、という流れ。
でもたいていの商品は、できあがったものをお客さんが見て、価格と実物と見合って、これならと納得できたお買い物をする。
そういう点で、花屋って、他の業種のサービス業とはちょっと違う。
飲食業と比べても、飲食というのも始めにメニューありきで、ものづくりといえばものづくりだけど、
メニューを作っているのは調理場だから、鉄板焼き屋とか、ラーメン屋とか、そういうお店は別として、作っている場面をお客さんが見る機会ってあまりない。

考えてみると・・・花屋って思った以上に大変な仕事の割に給料としては少ない部類に入るんですよね。ホント。
なかなか思った花束作ってくれるお店って少ないし、できあがりの商品を買うよりも、やはり作ってもらうときはその場で改めて作ってもらうパターンのほうが多いでしょ。
もうちょっとランク的に上のほうの業種に入ってほしいなと思うんですが。
あと、総体的に「お花の教室の先生」はラグジュアリーっぽいけど、
「お花屋さん」って身近なイメージありますよね(笑
よさげなイメージに見えますが、ものづくりが好きで、先天的なセンスがある程度ある人で、健康で丈夫な人じゃないと続かない業種でもあると思います・・・
まぁいろんな業種で、それぞれのセンスってありますしねー。
みなさんそれぞれ、なのですが。

ちょっと話はそれましたが、どんな仕事にせよ、絶対に失敗できない状態のものを使って、やってますよね。
花屋に例えれば、冷蔵庫の中の花たちはどれも1本づつの値段がついていて、
それを使ってアレンジをしたり花束を作ったりする場合、1本も無駄にできません。
初心者のうちは「これ、短く切りすぎたらどうしよう」「折ってしまったらどうしよう」「お客さんに気に入ってもらえなかったらどうしよう」という感情が商品に入り込むので、
自然とおどおどしながら、お客さんに媚を売りながら作品を作ることになります(私もそうだった)。
それを不思議とお客さんも見えない力で感じとって、多少気に入らないけどしょうがないか、作りなおしてもらう時間もないし・・・この人ビギナーっぽいし・・・という心で、買っていってくれます。
でも、お客さんから見たらこちらはプロでなければいけないので、
本当はそれではいけないのですが、ある程度は実地の経験しないといけないしねー。

ところがどんどん慣れてくると、使う花を選ぶ時間も短くなり、切るのにためらう時間もなくなります。
私の場合はすべてはさみを1回しか入れません。切る位置もためらわない。必ず適切な長さに切って、やり直しをせずに短時間で商品を作り上げるというのが自分の中のスタンダードになる。
それは感覚として自分の中にマイルールで染み込んでいる。
制作過程は、お客さんに対してのショー的意味合いも含むな~、と思う(まぐろ解体ショーみたいな)。
お客さんから見ても、作り手の手元を見ているのって楽しいよね。どんな仕事でも。

となると・・これってある意味ゾーンの境地だと思ったの。

心の中で集中しているのは、目の前のお客さんがどんな気持ちでうちの店を選び、予算を決め、どんな人にあげるのかを想像しながら、待つ時間をいかに少なくするかということだけで、
手は勝手に動くし、無心で淡々と作り上げていっている(もちろん心はこめてますが)。

てことは・・・この仕事の精神状態をトレードにもお引っ越しさせてくればいいんだなぁ、ということに気がついたんです。
まぁ、相場に関してはまだまだ素人だしビギナーなので、慣れるのには時間がかかりますが、
毎日見てれば慣れてもくるよね。
慣れて自然に淡々とトレードできるようになれば、結果もあとからついてくるのかな?
まぁ相場に関しては他にも資金管理とかいろんなことをひっくるめての新たな世界があるわけだけど、
とっかかりというか、自分の中のカードみたいなものを、違うジャンルの世界にも応用させていけばいいのかと気付いただけでも、この本を読んでよかったかも。

ちいさなとっかかりが見つかるだけでも、進歩の力はぐっと大きくなると思うので、
儲ける儲けないは横に置いておいても、日常生活の普通の価値観とはちょっと違う価値観に触れるのも、いい機会だと思ってやってます。

仕事に関してのことを書いてみたけど、これって仕事だけじゃなくてすべてにあてはまる。
家事もそうだと思う。
毎回のごはんを絶妙なタイミングで作るって、やれるようになったら簡単なことだけど、
なかなか、すごい事だと思いますよ。
まして世の中のママたちは、それぞれの家族の体調や顔色を見ながら、家族全員をお世話する。
これって、すべてをフラットにしてものごとを考えたら、結構すごい事だと思ってます。
これもゾーンだよ。

しかし・・・なんで、リスクを受け入れるのって、できないうちは難しいんだろう・・・。
まぁ、普段の買い物だって、スーパーに行っても、味を確認しないで見た目だけで野菜やお肉とか買うわけだから、それもある意味リスクを受け入れてるってことだよね。
だから、それぞれの世界で小さなゾーンってのがあるんだよね。

奥が深いように見えるけど、実はものすごくシンプルなことなのだろうなぁ。
そうして、こんなに長ーく文を書いている私って、まだまだまわりくどいっすね^^;



コメントどうぞ