普段あんまり同業者のブログって読まないんだけど(特定のところはいくつかある程度)、
長い文章があったので、読んでみた。
そこには、
自分たちは店を構えてやっていない。
アトリエみたいな感じにして、基本オーダーで注文を受け付け、やっている。
なぜ店を構えていないかと言うと、ロスをしたくないから。
余分な花の仕入れをしたくないから。
店を構えているところは、ロスをしたくないがために商品にロスのことを考えた花を入れている、
意味もなく。
それが気にいらないから、オーダーだけで受け、その人のために作る。
・・みたいなことが書いてあった。
多分同年代かちょっと私より若い男性だと思うんだけど。
甘いな~、と思った。
店を構えることの決意って、とても意味のあることだと私は思う。
確かに大手や大きめの花屋さんは、大量に仕入れて、その中で廃棄する分も多いのだと思う。
きっとその人はそういうところでしか働いてこなかったんだろう。
その人にとってはその環境は、可哀そうだったんだと思う。
花の仕事を修行しているときに、1輪の大切さを教えてくれる職場についたら、
きっとこの人の考え方も変わっていると思うし。
余分な仕入れをしたくないなら、別にしなくてもいい。
でも、きっと、個店で頑張っている花屋さんたちだって、ロスって絶対出したくないもの。
商品に対する想いは、誰でも同じだと思う。10本仕入れたら10本すべていい状態で売りたい。
顧客のニーズはいろいろだから、ひとつの花でも何通りもできるように、
仕入れに行った際は花の一つの大きさ、花の数、つぼみの状態、
これが何日後に咲くのか、すべてを一瞬で判断して仕入れていく。
ちょっとつぼみが小さいからメインとしては使いづらいけど、サブでだったら使えるなとか、
束が大きめだけど(だいたいは5~10本か、20、25本が一番細かい単位で、
あとは50、100、200などの箱単位)
3日後に必ず咲かせたいからこの品種を選ぼうとか。きっとこれは咲いたらきれいだから、
お店に置いてもいろんなお客さんの目にとまるし、積極的に入れて使っていってあげよう、とか。
あとは仲卸に「これ買ってー」って言われたものを仕入れたり。
普段つかわないやつなんだけどなー・・・ん~どうしよう・・・まあきっと大丈夫だろうとか。
花屋さんはこういうのが当たり前にできる人達ばかり。
普通に考えてみるとこれってすごいことなんだよなと思う。
物に対する目利きができる人ってどのジャンルでも私は尊敬する。
個店を構えているところすべてが、余分な花の仕入れをしているわけではないじゃん。
ロスも覚悟してやっているわけで。それを乗り越えてやっているにきまってる。
うちは少なくとも10本入れたら全部いい状態で使い切るようにしているよ。
というか、そこがお店を持つ醍醐味でしょう?
ほんとはこれ仕入たくないけど、お客さんが欲しいからという。
10本のうち、5本は予約ではけたけど、あと残りの5本をどうやって使おう?
それを頭をひねって考えて、自分がいままでしてきたことにその花をプラスすることで、
自分が作った自分らしい作品なんだけど、今までとは違う、新たな雰囲気を出すことができた。
これ、今まで使わなかったけど、なかなかいいねえ!って発見がある。
それが、楽しいんであって。
毎日それとの格闘だよ、お花屋さんなんてもんは。
絶対に使っちゃいけない用途を守った上でどこまで自分以上を引き出せるか。
だから、お店をあえてかまえてませーん、ってのは、ただの甘えでしかなくて、
ぜんぜんオシャレなことではないと私は思う。
多分、アトリエ状態だと仕入れる花の趣向もそのうち偏ってくるだろう。
その人のカラー、なのはいい。
大事なのは、お客さんに合わせた、お客さんが欲しいと望む、「お店のカラー」を出すことなんだよねぇ。
自分が自分がの「お店のカラー」じゃなくってさ。
うちの近所でも、始めそういう仕事の仕方をしていた同業者さん複数がいた。
不思議と全部男性なんだけどwネットだけで売ったり、口コミだけの仕事でやってたりと。
口々に「余分なロスは出したくないからオーダーだけでやってます♪」と言う。
確かにオシャレだと思う、作った商品の写真をみたりすると。
でもこれ、絶対ロス出てるだろうなって同業者には分かる。
ロスの使い方が違うというか・・・
余ってるだろうな~、それを「残ったのは家に飾ります」で満足してるならそれでいいけど、
きっといつかは行き詰るだろうな、と。
飽きないかな?とも思う。毎回同じような色の同じような花の形のものばっかり使ってて。
市場にはあらゆる花材があるのだから、いろいろ使ってみたらいいし、
ダークカラーが好きな花屋さんだって、時には全然違うパステルカラーのものを入れてもいいんじゃないのかな?
いつもダークカラーが好きなお客さんに「あら、この色もなかなかいいね」って言ってもらえるかどうか。
そこが一番楽しいとこであって。
で、結局そういう方たち、最終的には店を出すんだよね。
あれ?出さないのがあなたのウリじゃなかったのー?って。結局店だしてるじゃん、って。
そんなら始めから、将来お店を出したいからって素直に言って活動すればいいのにね、って。
そのほうが応援者も、ふえるよー。
お店を出すってことって、やっぱり最終的な目標としていきつくんだよね。
いくらアトリエでやってたって欲は出てくるから、店がもしあったらもっとたくさんのお客さんに見てもらえるなとか、思ってくるはずだもん。絶対。
きっとこのブログの方も、そのうち何年かしたら店を出すんだろうなと思う。
そのほうが絶対仕事やりやすい。ウケもいいし、お客さんも安心する。店があるということだけで。
アトリエの状態がかっこいいよね~、っていう段階って、半分は甘えも入っているので、
別にアトリエのまま一生過ごしたっていいとは思うよ。
でも世の中これだけのいろんな人たちが会社という組織をつくってやっているということは、
それが一番、仕事をするうえでやりやすいからなんだよね。
なので、実際私は「アトリエ」とかって言葉が好きではない。
アトリエっていってればオシャレでしょ?っていうのが。
この仕事を始める前の、準備段階と言うか、そういう意味で使うなら大歓迎だろうけど、
なんかなあ・・・・このアトリエって言葉、いろんな意味を含むよね。
やっぱり、究極なところは、自分が作って満足するんじゃなくて、
お客さんを満足させてなんぼだよね。
自分の色なんて全然全面に出さなくてもいいんだよ、むしろそんなの要らない。
このお客さんが、喜んでこの花を誰かにプレゼントする、そっちのほうが大事で、
店主の好きな趣味に対する頑固さなんて、いらないって私は思う。
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良い記事!
男前すぎて惚れそうになったよ(笑)。
きゅきゅっちのお店が近所にあったら、私頻繁にお花買いに行くのにー!っていつも思ってる。
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☆リカちゃん
わーごめんねちょっと放置してた・・コメントありがとうー!
わはは、惚れてくれ(笑
でもこういうの思うようになったのって、年とったせいなのかもなーと思ったりもする・・
お花の件ありがとねー、気持ちだけで充分うれしいよん。