物欲

ここ数年、街でおしゃれなものを見たり雑貨を見たりしても
「わぁ欲しい!絶対家に連れて帰りたい♪」て思えなくなった。
思わなくなった、かな。
眺めていて「おしゃれだねーいいねー」「すてきー」て思うだけで。
アンテナを高く伸ばし、あらゆるインテリア雑誌や洋書を買いまくって眺めていた10代。
20代になってそれらに載っているいくつかに手が届くようになり、
いろいろなものをとにかくコレクトして。
30代になって、そのペースが徐々にゆるくなり。
40代になったら、連れて帰ることがなくなった。
これは自分のアンテナが低くなってしまったってことだろうか?
それとも、感性のそのアンテナが老朽化したってことか?
私の部屋にはその、アンテナがばりばりで立ちまくっていたころに集めた色々の中で
「これはホントに好きだ」と思える雑貨だけが今飾ってあるんだ。
その他は棚の中にしまったり、処分したり。
ずいぶんたくさんのものをコレクトしてきたと思う。
処分する時も後悔はなかったな。
なんでかなぁ?なんで欲しくないのかなぁ?てお店で立ち止まって考えるんだ。
別に、お金がないわけじゃないよ。(あるわけでもないけど)
それよりも20代のころはお金がなくても買ってたからお金っていう問題じゃない。
例えばヴィレヴァンに行ったとしてももう、何も買わないと思う。
買うものがないっていうのかな。
でも、連れて帰らなくても、別に敗北感もないし気持ちは満たされているんだ。
「あーこういうの、前は好きだったなー」「なつかしいな」て思うぐらい。
まぁ、自分にとっての旬を過ぎたんだろうね。
満タンになった、ってことかなぁ。
インテリアもおしゃれじゃなくったっていい。
それなりで、こぎれいであれば。
それ以上に居心地の良さを求めるようになっている。
手触りのいいクッション、座り心地のいいソファ。
やわらかい毛布。すべすべの木の床。なじんだ手触りで。
高くても安くても別にどっちでもいいな。もう。
いま、安いものも高いものも同じ土俵で世の中には売られているから。
考えてみたら今私が使っているベッドは25年ぐらい使ってるものだし(!)、
ソファも10年以上、棚も30年もの、毛布も20年ぐらい。
年代で考えるとすごい年代物ばっかり・・なんだけど、
そのどれもが古さは感じないんだよね。
見慣れててもなぜか。
それらは私が買ったものじゃないけど、きっといいものを買ってくれたからなんだろうなー。
家具はまだまだ充分使える。
以前の異常なまでの物欲がそぎ落とされていて今はちょっとほっとしてる。
ホントに破産しちゃうよ(笑)あのままいくと。
よかった。
あの頃は見てるだけでは我慢できなかったから・・
今は何にお金を使ってるのかなー。
あまり価値観は変わってないつもりだけど・・
それでもなぜか、けっして楽な生活ではありませんが。
とにかくいろんなものをたくさん買って世の中の景気をまわしてきたなぁ。
もう雑貨類は買うことはほとんどないだろうなー。
新しい風を自分の部屋に吹かせたい気持ちはあるけど、ここまででつくりあげてきた自分のお城って感じがしているよ。
なんか・・つまんない人間になっちゃってるかなぁ。
写真やってるから、いいかな。
何にもやってないわけじゃないから。
今朝のお散歩。みるみるうちに雑草がたんぽぽを追い越すよ。
彼らの生命力は、速い。

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