地元の某人気雑貨店の閉店に思うこと・・・(ちょっと長いです)。
雑貨の業界ってきれいで素敵で、私も20代までは本当に憧れてやりたい業種だった(憧れは人一倍強かったです)。
が、実際扱ってみると、いったん在庫が滞り始めるとなかなかはけないし、そのうちに流行りは変わるし、今みたいに景気が悪い時期やデフレがあったりすると打撃を受ける大変な業界だなと改めて思う。
うちの店でも雑貨ものは置いているけれど、もともとの仕入の掛け率も割と高めで(大量仕入れをしないから余計に)、花や資材みたいに材料を仕入れてそれを使って付加価値を付けて「商品」にして売るというタイプのものではないから、在庫一掃セールといっても原価に近い値段で出すぐらいしかない。なのでなるべくそうならないように相当仕入れる時は吟味して、何通りにも使える、時代に流されない等考えながら仕入れをしている(その分思いきった冒険もできないけれど)。
ネット通販が普通になって「あなたの店のセレクトが好きだから何時間もかけて買いに行く」ということもなくなってきた。
案外雑貨たちって棚卸の時にも「こんなにかさばるんだ」と思うほどの比率を占める。計算しててびっくりするというか。
やっぱり閉店するってことは売れてないからなのだと思う。売れてれば何事もなく継続するはず。割と「新しく成長するための閉店です」とか「自分自身をステップアップさせるための閉店です」って言うけどそれはきれいごとであって、やっぱり売れてればそんな閉店はしないで新しく店舗を増やすほうに力を持っていくと思うのね。
食べ物屋さんやうちの店みたいに常に仕入れたものがなくなっていく消えものの業界ではないだけに(生ものを扱う業界はそれはそれで大変なのですが破棄するといいう選択肢があるからそれを含めての価格を設定できる。在庫も破棄できるから常に新しいわけだし)、在庫を持つってリスクになるんだよね・・。
雑貨屋さんってさ、私自身も含め「あそこおしゃれだよねーちょっと寄ってみる?」で寄ってみたはいいものの、寄ったすべての人が買って帰るわけじゃない。雰囲気を楽しんで手ぶらで帰る人も多数。ある程度雑貨そのものが好きか、若いか、お財布に多少余裕がある人か、贈る用に買う人か。
今特に100均も充実してきてるから、雑貨屋に探しに行かなくてもそろってしまう。地方に行くとモノに対してのデザインを求める人もそう多くはないから、それで足りてしまう。
なのに閉店すると聞くと急に「残念」「惜しい」「閉店しないで」などなど・・。
お客さんって浮気するのが普通だし(男女関係より壮絶だと思うわw)、いくらあなたの店が好きですよって言ってたって出た瞬間からは違う店のこと考えたりもするじゃない?もちろんそれが普通だけど、大好きだから毎回同じ店を使うわけでもないしね。
今回閉店されるお店も最近ずっと行ってないけれど、多分在庫を抱えていたんじゃないかなぁと推測する。セールにしても売れないというぐらいの。それでも常にアンテナを高くしていなければならないジャンル。
地元ではアンテナの高い素敵なお店だったから10年ぐらい前には本当にお世話になったしいろいろな思い出も作ってくれたお店。閉店されてからどうされるのかは知らないけれど、ひとつづつこうやって東海地方からアンテナの高いお店がなくなっていくのは寂しいことだなぁ・・。
と書いていますが私は雑貨が好きだし(半ば過去になってきてますが過去は相当お金を使いました)、素敵なお店はそのまま続いてほしい、頑張ってほしいと思うし、私自身も雑貨を仕入れる立場にあるだけにいろいろと思うことがあったのでした。
景気、よくなるといいよね。ほんとうに。
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