常連さん、と、お客さんとの密着度

 この春、来たお客さんで、
妙に密着度が高くてちょっと戸惑っているパターンがあります。

大きな観葉植物をみに来た女性のおきゃくさん。
見に来た途端、「他の店ではもっと安かった」とか、「あの店のはこんな感じだったけど、ここで頼むとどんな感じになるの?」と、あれこれ質問攻め。
他の店では安かった・・というのは、うちの地域は周辺に大きな園芸センターが多く、
やっぱり値段はそっちのほうがだいぶ安いです。
ただ、品質とか、贈り物にこだわる人は、個店を選ぶほうが確実だし、ちょっと割高でも質がいいもののほうが長持ちするということで、
お客さんの使い分けがあるのは私たちも承知しています。

ただなんとなく、会話の感じがひっかかる。
ちょっと苦手な相手かも・・・・

結局、その人にとって目指す大きさの観葉植物がなく、予約で、取り寄せることに。
で、取り寄せた結果、とても気に入って持ち帰ってくれました。

・・・が・・・ここからが実は長い長い始まり。

この女性、とにかく、その後の質問TELが多い!
普通、育て方とか、分からないことがあっても、常識程度だと、その後1回か2回電話があったり、
折りに触れて対処の仕方を聞いてくださるので、その都度私たちも方法を答えます。
たとえば、水やりどうしたらいいの・・?とか、
管理の方法は?とか、葉っぱがこんなふうになってるんだけど、どうしたらいいですか?とか。

この女性のお客さん、購入されてから数日して電話がかかってきて、
とりあえずそういう一般的な管理の方法を聞いてきたので、
私もそれなりにちゃんとお返事しました。

が、その後もちょくちょく電話がかかってくる。

その内容は「自分がいかにその観葉植物を愛しているか」
「いただいた鉢の葉っぱは濃い緑色だけど、他の店においてあるのは緑の具合が薄かった、なぜ?」
「ほかの店にあるのはちょっと大きめで、私が購入したのは少し小さなものにしたんだけど、
やっぱり大きいほうがいいかなと思って悩んでいるんだけど・・お姉さんどう思う?」
「交換してくれるなら、やっぱり、購入してから1週間ぐらいの間じゃないとだめだよねえ・・・どう思います?うちの間取りはこんな感じで・・・」

「友達に聞いたら、こういうふうに管理したほうがいいよ、って言われたけど、お姉さんどう思う?」
「友達にこういうふうに言われて、でもお姉さんはどう思う?
一回お姉さんの意見を聞こうかと思って」

始めはいいんです、質問されたことに、普通に答えていればいいんだけど、
なによりも、電話が長い・・・
いったん捕まると30分は一方的に話される。
話題の内容としては・・・「ん~それって私が聞かなくてもいいんじゃないのか?」な、
日常会話的なものから、
私への質問。「お姉さんは、いついるの?」「お姉さんが、お店経営しているの?」

そして、いつも私を呼び出す。
「いつものお姉さんいらっしゃいますか?」
私がいないと、戻りの時間を聞いて改めて電話がかかってくる。
ストーカー・・?と思うぐらいよ。これが男性なら。

そして、ちょくちょくかかってくるので、なんといっても電話の回数が多い・・・

一般的には何の問題もないんですよねぇ。
ただ、かかってくると長いんです・・・電話が・・・
私も店頭で仕事してるので、その人にいったん捕まると、
来店されたお客さんをとほうもなく待たせることになってしまう・・・
「ごめんなさい、ちょっとあとでかけなおしていいですか?」と私が口をはさむ暇もなく、
「でねー、このうちの観葉がどうのこうの・・・」と、完全にお客さん中心の会話で。

もう私、なにもできません。
店の仕事もストップ、完全に時間はそのお客さんに持って行かれちゃって。
目の前のお客さんを10分以上待たせ、
やっとの思いで電話を切ったら「長い電話だったね!ちょっと長すぎるよね、その人どういう人?」と待たせたお客さんから突っ込みが入り、
私も苦笑いしながら「ちょっと長い方なんです・・・いつもこんな感じで・・すみませんお待たせして」と謝る始末。
もしくは、待ち切れずに帰っちゃうお客さんも。

これでは困る。

このことに対しては店全体でもちょっとした話題になっちゃって、
私がいつまでも電話を切れないもんだから、他のスタッフはその分忙しくなるし、
オーナーまでもが「ちょっとその人、大丈夫なの?適当にあしらっときなさい」って、半ばピリピリして怒り気味。
私の話口調が柔らかいから、そのお客さんにとっては「話しやすいお店の人」ってうけとめられちゃったみたいで、
その後も何度も何度も電話がありました。

これじゃ仕事にならんので、
居留守を使ってみたり、「忙しいのでまたあとでかけなおします」と言ってみたり、
でも「あとでかけなおします」といって放置してるとまた電話がかかってきて、
「もう電話してくれないのかと思ってた・・」って悲しそうに言われちゃったり・・・
トホホ・・・

それを見ている周りの人も、そのお客さんのあまりの密着度の濃さに、申し訳ないけど呆れてしまったりで・・・

その後も何度か電話がかかってきますが、
短くても10分はつかまります。
でもね、その内容が、うちで買った商品のことならいいんだけども・・・

その観葉植物を入れるカゴってある?って話題になったときに、私が、
「うちでピッタリのものを準備できますよ、予算はだいたい3000円程度を見ておいてもらえれば」と伝えたら、
それじゃ高いと思ったようで、あちこちの店を回って自分でカゴを見つけてきて、いれてみたそうな。
しかしその大きさがちょっと窮屈で、微妙に小さいということが判明し、
それについて私に「どうしたらいいと思う?」と聞かれてもねぇ・・・
だから「うちで頼んでくれればぴったりのものを」ってお伝えしたじゃん、何度も、って思っちゃって。
あなたがあちこち自分で探しまわって、安いものを買ってきて、
「まだ先日買ったばっかりだから、買った店に返品はまだできると思うんだけど、
お姉さんどう思う?」と言われてもー。

わたしゃ、知らんがな^^;
そっちで解決してくれー!

結局、安物買いの銭失いになるんだよね・・・こういうパターン。
しかも、よそで買ったって平気で言うんだもんな・・普通言わないよねあまり。

とりあえず、電話の拘束時間の長さと、
よそで買った商品について私に相談されてもってことに少々、戸惑っております。
まぁ、買っていただいた観葉植物を気に入って溺愛してくださってるのはありがたいし、
でも、日常生活の常識的な密着度の程度がずれると、どっちかが無理を強いるし、
このへんのバランスって、合わないと、難しいよなぁ。

どこまでお客さんに入り込めるかだとは思うんだけど。
どっちかというと私は、ほどほどにお客さんと距離を置くほうがいいと思っているから。
もしくは、その人が私も「知り合いになりたいな」と思うような感じだったらとっくに相談にものってるけど、
んー・・・・そういうわけでもなく・・・ちょっとタイプが違う。

長々と書いてしまった。

ただ、ひょっとしたら私も今まででどこかで、密着度を勝手に解釈してたところもあるのかも。
自分では気づいてないけど・・・てこともあるよね。
基本、やっぱりお商売をしている人はお客さんに対しては100%以上の対応が当たり前だし、
嫌な気持ちはさせない、てのは前提なのだけども、
ほどほどの距離感保っていられてたかなぁ・・。気をつけよう。

「常連さん」の解釈、いろいろ。
上手にのりきるしかないね~。
そう思うと飲み屋のおねーちゃんたちってすごいと思うよ。
下心0%で飲みに来る男性なんていないでしょ?
上手にあしらってると思うんだけど、そういうのも含めて夜のお仕事が時給が高いのって当然だよね。

今回は女性なのでいいんですが・・・
電話が鳴るたび、電話番号通知を見て(あ、あの人じゃないわ、よかった)と思い、
電話を取ってしまう私・・。



常連さん、と、お客さんとの密着度” への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0

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    職種は違うけれど、気に入ってるBARのママやマスターは、

    みんな、逆に客を教育して来ますよね。

    こっちもある程度、寂しい時に行くわけだから、

    「かまって欲しい」てゆう願望があって、

    それが満たされるのはチヤホヤされるより、

    むしろ叱られるような時。

    チヤホヤされる店は逆に敷居が高く感じられるみたいな。

    そのお客さんも、そうとう寂しいんでしょうね。

    お花屋さんだから、まさか叱るわけにも行かないし、

    困ったことだとは思います。

    丁寧な口調で反対意見ばかり言ってみるとか、

    軽く意地悪してみるとか、いうのも良いのかも。

    でも、自分の場合、そうされると更に萌えるんだよな。

  2. SECRET: 0

    PASS:

    ☆タケさん

    コメントありがとう♪ご無沙汰してます^0^

    確かに、マスターやママさんはお客さんを教育してることありますね。

    叱られた時は「ちぇっ」て思うけど、あとあとからじんわり効いてきて・・・しかも他人はなかなか自分のことを真剣に考えてくれないから、なおさら、うれしかったりしますよね。

    おかげさまでそのお客さんはその後は音沙汰ないんですが・・・でもきっと、また困ったら電話してきそう。

    暇な時に電話してきてーって思います^^;

    適度なじらしは罪ですね(笑

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